東京メトロ・JR 八丁堀駅より徒歩1分
月経前症候群(PMS)の症状のうち、心の症状が特に悪化して日常生活に支障をきたすような症状を月経前不快気分障害(PMDD)といいます。
普段はうつ症状のない方が、月経開始数日前から抑うつ感や不安感などの精神症状が前面に出て、絶望感にとらわれたり、涙がとまらなくなったり、また反対にイライラしたり、怒りっぽくなったり、攻撃的になったりするなど感情のコントロールが難しくなります。感情の爆発を周囲にぶつけると、人間関係や社会活動にも支障をきたすことにもなります。
このような症状は、月経開始から数日後には消失し、全く普通の精神状態に戻ります。
月経前症候群(PMS)と同様に、原因ははっきりとは解明されていませんが、生理前に増加する女性ホルモン、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響が原因とされています。
また、もう一つの女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)とのバランス異常という説も言われています。
さらに感情に関わる神経伝達物質の量や働きに、これらの女性ホルモンが影響を及ぼして症状が現れるのではないかという説も出てきています。
以下のような症状のうち2つ以上あてはまる場合はPMDDの疑いがあり、数が多いほど症状の程度が重症であると言えます。
上記のような症状が見られる方は、一人で悩まずにまずはご相談ください。
思い悩んでいた月経前の不安定な症状が月経前不快気分障害(PMDD)だと気づくことで月経前不快気分障害(PMDD)を克服し、受け止めることにより気持ちが楽になる場合もあります。
また症状がつらい場合は医師に相談することで、少しでも症状が和らぎ、心を落ち着かせ、安心感へとつなげることが大切です。
PMDDの近年の研究では、脳内のセロトニン系に作用するうつ病の治療薬の一種であるSSRIが有効であるとの報告があり、第一選択薬として考えられるようになっています。 また、症状や程度により、漢方薬や抗不安薬などを単独または併用して処方することもあります。
当院では心療内科医の立場から、抗うつ剤や抗不安薬、漢方薬などを用いた治療から、生活指導まで幅広く対応し、お一人お一人の状態に合わせた治療を行ってまいります。